オーストラリアのファームジョブと88日ルール完全ガイド(2026年版)

Worker picking fruit from a tree in an orchard

ファームの仕事は、オーストラリアのワーキングホリデーメーカーに最も多い仕事のひとつです。多くの人にとって、滞在を延ばすための鍵でもあります。地方(リージョナル)でファームの仕事などの「指定業種の仕事(specified work)」をすると、セカンドやサードのワーキングホリデービザを申請できるようになるからです。

この記事では、オーストラリアのファームジョブの仕組み、88日ルールの本当の意味、指定業種として認められる仕事、稼げる金額、そして多くのワーホリが陥りがちなトラブルの避け方を解説します。ワーホリメーカーから特によく聞かれる質問ばかりです。

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ひと目でわかるまとめ

質問答え
セカンドビザに必要な期間は?指定業種の仕事を3か月(暦日で88日)
サードビザに必要な期間は?指定業種の仕事を6か月(暦日で179日)
どこで?対象となる地方の郵便番号(ポストコード)エリア(観光業は一部の北部・遠隔地)
複数の雇用主で分けてもいい?はい
イギリスのパスポート保持者も必要?いいえ。2024年7月1日以降にイギリスのパスポートで申請する場合
最低賃金アワード(Award)の基準が適用され、園芸アワード(Horticulture Award)の出来高制労働者には時給の最低保証があります

ビザに関する情報は、執筆時点でオーストラリア内務省(Department of Home Affairs)のウェブサイトで確認しました。ルールは変わることがあるので、働き始める前に必ず確認してください。

88日ルールとは?

ワーキングホリデービザ(サブクラス417)またはワーク・アンド・ホリデービザ(サブクラス462)を持っている場合、1年目のビザ期間中に3か月の指定業種の仕事を終えると、セカンドビザを申請できます。日本のパスポート保持者は417ビザが対象です。

内務省は「3か月」を、最も短い暦月3つを合わせた期間、つまり暦日で88日と定義しています。雇用期間中の週末や通常の休日もこの期間に含まれます。

サードビザには、セカンドビザ期間中に6か月の指定業種の仕事、つまり暦日で179日が必要です。

ただ88日働けばいいわけではありません

ここが多くの人が混乱するポイントです。その仕事のフルタイム労働者が3か月で通常働く日数やシフト数と同じだけ働く必要があります。週2日しか働かない場合は、フルタイム相当に達するまでより長い期間働かなければなりません。

条件を満たす方法には、次のようなものがあります。

  • 3か月連続でフルタイム(通常は週5日)で働く
  • より長い期間、パートタイムで働く
  • 短期の仕事をいくつか組み合わせてフルタイム相当にする

指定業種の仕事はビザ期間中に分けて行ってもよく、複数の雇用主のもとで働いても構いません。ただし、週7日働いたとしても、暦上の3か月より短い期間で条件を満たすことはできません。

指定業種の仕事として認められるもの

指定業種の仕事は、認められた業種であり、かつ対象地域で行う必要があります。ワーキングホリデービザ(サブクラス417)の対象業種は次のとおりです。

  • 地方での植物の栽培・動物の飼育:フルーツピッキング、パッキング、剪定、収穫、家畜に関わるファームの仕事など
  • 地方での漁業・真珠養殖
  • 地方での植林・伐採
  • 地方での鉱業
  • 地方での建設業
  • 北部オーストラリアまたは遠隔地(Remote and Very Remote)での観光・ホスピタリティ
  • 指定地域での森林火災・自然災害の復旧作業(一部のボランティアを含む)

ワーク・アンド・ホリデービザ(サブクラス462)には別の指定業種と地域のリストがあるので、462ビザの方はそちらのルールを確認してください。

認められない仕事

農業に関係する仕事でも認められないものがあります。たとえば内務省は、ワイン醸造、ビール醸造、製粉、加工食品の製造などの二次加工は対象外としています。一般的な庭の手入れも対象外です。仕事を引き受ける前に、必ず公式リストと郵便番号を確認しましょう。

郵便番号を確認しよう

指定業種の仕事は、対象となる郵便番号のエリアで行う必要があります。内務省は、地方(regional)、北部(Northern)、遠隔地(Remote and Very Remote)の郵便番号リストを公開しています。多くの大都市は植物の栽培・動物の飼育の対象外なので、州都に近いファームはカウントされない場合があります。

イギリスのパスポート保持者

2024年7月1日以降、イギリスのパスポート保持者は、イギリスのパスポートで申請すれば指定業種の仕事をしなくてもセカンド・サードのワーキングホリデービザを取得できます。収入や経験のためにファームの仕事を選ぶ人も多いですが、ビザの条件ではありません。

ファームジョブの給料はいくら?

ほとんどのファーム・収穫作業の労働者には園芸アワード(Horticulture Award)が適用されます。給料は時給制か出来高制(piece rate)のどちらかです。

時給

フェアワーク・オンブズマン(Fair Work Ombudsman)によると、2026年7月1日からの園芸レベル1労働者の最低時給は次のとおりです。

雇用形態最低時給(レベル1)
フルタイムまたはパートタイム$25.74
カジュアル(25%のカジュアル加算を含む)$32.18

上位レベルや一部の仕事はさらに高くなります。残業や祝日の勤務も、アワードに基づいて割増になる場合があります。

出来高制(piece rate)

出来高制では、ビン、バケツ、キログラムなど、収穫やパッキングをした量に応じて給料が支払われます。園芸アワードでは次のように定められています。

  • 雇用主は働き始める前に、出来高単価を記載した書面の出来高記録(piecework record)を渡さなければなりません
  • 出来高単価は、平均的な能力の労働者が最低時給より少なくとも15%多く稼げる水準でなければなりません
  • 2022年4月から、出来高制の労働者にも、毎日働いた時間分の最低時給が保証されています。作業が遅くても同じです
  • グループ単価は認められていません。出来高は本人の作業量に基づく必要があります

つまり、どれだけのペースで作業しても、働いた時間に対して最低時給を下回ることはあってはなりません。

ファームジョブにおすすめの地域とシーズン

収穫シーズンは1年を通して地域を移っていきます。主な地域は次のとおりです。

  • クイーンズランド州:バンダバーグ、ロッキャー・バレー、スタンソープ、ファー・ノース・クイーンズランド
  • ニューサウスウェールズ州:リヴェリナ、グリフィス、リートン、オレンジ、ヤング、コフスハーバー
  • ビクトリア州:ミルデュラ、シェパートン、ヤラ・バレー
  • 南オーストラリア州:リバーランド、バロッサ
  • タスマニア州:ヒューオン・バレーなどの果樹栽培地域
  • 西オーストラリア州:カーナーボン、マンジマップ、南西部

ベストな時期は作物によって異なります。フルーツピッキングは夏から秋にピークを迎えることが多く、野菜の仕事は地域によってほぼ1年中あります。移動する前に、その地域の雇用主や人材派遣会社に連絡し、仕事があるか、郵便番号が対象かを確認しましょう。

ファームジョブの探し方

  • 求人サイトで「harvest」「farm hand」「fruit picker」「packing shed」と町の名前で検索する
  • 農業地域の人材派遣(labour hire)会社に連絡する
  • 地域の掲示板やFacebookグループをチェックする(ただし雇用主を事前に調べること)
  • 収穫地域のホステルやキャラバンパークで聞いてみる
  • 特に車がある場合は、ファームに直接連絡する

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私の経験から

ファームの仕事は本当に運次第です。私はバンダバーグでトマトやニンニクなどの仕事をしましたが、楽ではなく、当時は時給でもありませんでした。最近はパッキングシェッドや食肉加工工場が多く、仕事は悪くないと思います。特にパッキングシェッドは断然おすすめです。日差しの下で働かなくてよく、労働時間も長く、稼げることもあります。一番大切なのは、シーズンが始まったばかりか終わりかけかを見極めてから行くことです。終わりかけに行くと、あまり稼げず大変な仕事だけで終わることもあります。

当時とは規則が変わっています。現在は園芸業アワード(Horticulture Award)により、出来高制でも働いた時間に対して最低時給以上が支払われなければなりません。ビザに使う仕事なら、指定労働(specified work)に当たるかどうかも確認してください。

記録を残そう:ビザがかかっています

セカンドやサードビザを申請するときは、指定業種の仕事をしたことを証明する必要があります。次のものを保管しておきましょう。

  • すべての給与明細(ペイスリップ)
  • 雇用主の名前、ABN、住所(勤務地の郵便番号を含む)
  • 働いた日付と時間
  • 給料の入金がわかる銀行の取引明細
  • 雇用主が発行する雇用確認書や推薦状

内務省は、指定業種の仕事はオーストラリアの法律とアワードに従って給料が支払われたものでなければならないとしています。給与明細のない現金払いの仕事は、働いたことを証明できない可能性があるため危険です。

ファームジョブの詐欺や悪質な雇用主を避けるには

  • 仕事を得るためや日数に「サイン」してもらうためにお金を払わない
  • 現金払いのみで給与明細を出さない雇用主には注意する
  • 移動する前に雇用主のABNと口コミを確認する
  • 働き始める前に給料の条件を書面でもらう
  • 仕事とセットになった宿泊の条件に注意する。週の費用と条件を先に確認する
  • 実際に働いていないのに88日を「サイン」すると言われても受け入れない。ビザ詐欺であり、深刻な問題につながります

給料の未払いや不当な扱いを受けたら、フェアワーク・オンブズマンに相談しましょう。相談は無料で、ビザ保持者も他の人と同じ職場の権利を持っています。

ファームジョブの持ち物

  • 丈夫でつま先が覆われた作業靴
  • つばの広い帽子、日焼け止め、サングラス
  • 日差しやひっかき傷を防ぐ薄手の長袖の服
  • 手袋
  • 大きめの水筒
  • 虫よけ
  • できれば車(公共交通機関では行けないファームが多いため)

よくある質問

88日は連続で働かないといけませんか?

いいえ。合計がフルタイムの3か月相当になれば、ビザ期間中に分けて働いても、別々の雇用主のもとで働いても構いません。

週末も88日に含まれますか?

フルタイムで働いている場合、雇用期間中の週末や通常の休日も含まれます。パートタイムの場合は、フルタイム相当の日数に達するまでより長く働く必要があります。

都市部で88日を達成できますか?

ファームの仕事なら、通常はできません。植物の栽培・動物の飼育は、対象となる地方の郵便番号エリアで行う必要があります。公式の郵便番号リストを確認してください。

ボランティアはカウントされますか?

指定された森林火災や自然災害の被災地での復旧作業など、特定の場合に限りカウントされます。

フルーツピッキングでどれくらい稼げますか?

作物、シーズン、作業スピードによって異なります。園芸アワードでは、出来高制の労働者にも働いた時間分の最低時給が保証されており、作業が速い人はそれ以上稼ぐことができます。

まとめ

ファームの仕事は大変なこともありますが、オーストラリアの地方を体験し、お金を稼ぎ、滞在を延ばせる素晴らしい方法です。勤務地が対象の郵便番号エリアか、給与明細付きで正しく給料が支払われているかを確認し、働いた日をきちんと記録しておきましょう。

ビザのルール全体はオーストラリアのワーキングホリデービザ ガイドを、給料の基準はオーストラリアの最低賃金ガイドをご覧ください。


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