毎年たくさんの若者がワーキングホリデービザでオーストラリアにやって来ます。1年間国内を旅しながら働いて旅費を稼ぐことができ、条件を満たせば2年目(セカンド)、3年目(サード)まで滞在できます。
このガイドでは、ワーホリビザの2つの種類、申請資格、費用、守るべき就労ルール、滞在延長の方法を解説します。内容は執筆時点のオーストラリア内務省(Department of Home Affairs)のサイトで確認していますが、ビザのルールは変わるため、申請前に必ず最新情報を確認してください。
早わかり表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ビザの種類 | Working Holiday(417)/Work and Holiday(462) |
| 年齢 | 18〜30歳(一部の417対象国は35歳まで) |
| 滞在期間 | ビザ1つにつき12か月 |
| ビザ費用 | 初回ビザ AUD 840 |
| 審査期間 | 平均約3か月 |
| 就労の制限 | 原則として同じ雇用主のもとで最長6か月 |
| 就学の制限 | ビザ1つにつき最長4か月 |
| 滞在延長 | 指定職種(Specified work)でセカンド・サードビザが可能 |
日本のパスポート保持者は417ビザを申請します。年齢制限は18〜30歳で、申請時に30歳以下であれば申請できます。
ワーキングホリデー制度とは?
オーストラリアのワーキングホリデー・メーカー(WHM)制度は1975年から続いています。オーストラリアと協定を結んだ40以上の国・地域の若者が、休暇を過ごしながら短期の仕事で旅費を補うことができる制度です。
ビザの主な目的は「休暇」です。仕事や勉強もできますが、あくまで旅をサポートするためのものです。
417と462、どちらのビザ?
申請するビザは持っているパスポートで決まり、自分で選ぶことはできません。
Working Holidayビザ(417)
日本、韓国、台湾、香港、イギリス、アイルランド、カナダ、フランス、ドイツ、イタリアなどのパスポート保持者が対象です。年齢制限は18〜30歳で、一部の国は35歳までです。
Work and Holidayビザ(462)
アメリカ、中国、インド、ベトナム、インドネシア、タイ、スペインなどのパスポート保持者が対象です。年齢は18〜30歳。一部の国では政府の推薦状、最低学歴、英語力、年間の発給数上限などの追加条件があります。中国、インド、ベトナムのパスポート保持者は、初回の462ビザを申請する前に事前抽選(ballot)で選ばれる必要があります。
申請資格
初回のワーホリビザには、原則として次の条件があります。
- 対象国のパスポートを持っている
- 申請時に年齢制限内である
- オーストラリア国外からオンラインで申請する
- 扶養する子どもを同伴しない
- 一人で申請する(家族を含めることはできない)
- これまでに417または462ビザでオーストラリアに入国したことがない
- 健康要件と人物要件(犯罪歴など)を満たす
- 滞在初期の生活費と、帰国または次の国への航空券代を用意できる
費用と審査期間
初回のワーホリビザの費用はAUD 840です。内務省によると、平均審査期間は約3か月です。
ビザが許可されるまで航空券の購入や確定した予定を立てるのは避けましょう。正確な費用は内務省サイトのVisa Pricing Estimatorで確認できます。
申請の流れ
- パスポートが対象国のものか、年齢制限内かを確認
- 462の場合は国ごとの追加条件と抽選の有無を確認
- 内務省サイトでImmiAccountを作成
- オンライン申請書を記入し、求められた書類をアップロード
- ビザ費用を支払う
- 求められた場合は健康診断や追加情報を提出
- 結果が出てから航空券を予約
申請は自分で十分にできます。サポートを受ける場合は、必ず登録された移民エージェント(registered migration agent)を利用してください。
ワーホリビザでできること
- 最初に入国した日から12か月間滞在
- ほぼすべての業種で働く
- 最長4か月まで勉強や研修を受ける
- ビザ有効期間中は何度でも出入国
- 指定職種で働いてセカンドビザの資格を得る
守るべき就労ルール
6か月ルール
ビザ条件8547により、原則として同じ雇用主のもとで働けるのは最長6か月です。一部の仕事や状況には例外があり、同じ雇用主で長く働きたい場合は許可を申請できます。必ず6か月が終わる前に申請してください。
4か月の就学ルール
条件8548により、ビザ1つにつき最長4か月まで勉強・研修ができます。海外の教育機関のオンライン講座はこの制限に含まれません。
働く人の権利
ワーホリの人も、オーストラリアの他の労働者と同じ権利を持っています。最低賃金、安全な職場環境、不当な扱いからの保護などです。カジュアル(casual)雇用は有給休暇の代わりに時給が高めに設定されています(カジュアル・ローディング)。給与水準や権利はFair Work Ombudsmanのサイトで確認できます。
ワーホリに人気の仕事
- ホスピタリティ:カフェ、レストラン、バー、ホテル
- ファーム:フルーツピッキング、パッキング、農作業
- 建設・作業員:通常ホワイトカード(White Card)の安全講習が必要
- 小売:スーパーやショップ、特にクリスマス前
- 観光:ツアー会社、リゾート、ホステル
- 清掃・ハウスキーピング
- スキルと経験があればオフィスワーク
仕事の探し方はオーストラリアでの仕事の探し方とおすすめ求人サイトで詳しく紹介しています。
セカンド・サードビザの取り方
1年目のビザ期間中に3か月(88日)の指定職種(Specified work)を終えると、セカンドビザを申請できます。サードビザには、セカンドビザ期間中に6か月の指定職種が必要です。
指定職種(Specified work)とは?
ビザの種類によって異なり、指定された地方(regional)の郵便番号の地域で行う必要があります。主な例は以下のとおりです。
- 植物・動物の栽培:フルーツピッキング、収穫、農作業
- 漁業・真珠養殖
- 植林・伐採
- 鉱業
- 建設(対象地域内)
- 北部・遠隔地の一部の観光・ホスピタリティの仕事
- 山火事・自然災害の復旧作業
417と462ではルールが異なるので、仕事を始める前に内務省サイトの指定職種リストを必ず確認してください。働いた日の給与明細(ペイスリップ)と記録は、後で証明するために必ず保管しましょう。
イギリスのパスポート保持者
2024年7月1日以降、イギリスのパスポートで申請する人は、指定職種をしなくてもセカンド・サードビザを取得できます。
ワーホリの税金と銀行
働き始める前に基本を準備しましょう。
- 到着したらすぐにTFN(納税者番号)を申請。TFNがないと税金を多く取られます
- 給料を受け取るためにオーストラリアの銀行口座を開設
- ワーホリには専用の税率があります。2025–26年度は課税所得の最初の$45,000まで15%です
- 雇用主はスーパーアニュエーション(年金)を積み立てる義務があります。オーストラリアを完全に出国するときに払い戻しを申請できますが、税金がかかります
ワーホリの予算
オーストラリアは特に都市部で物価が高めです。シェアハウスやホステルの家賃が一番大きな出費で、次に食費と交通費です。仕事が見つかるまでの最初の数週間を過ごせるお金を必ず用意しましょう。
オーストラリアの生活費ガイドで項目別の費用を確認できます。
よくある失敗
- ビザ許可前に航空券を予約する
- 指定職種の記録(給与明細、勤務時間)を残さない
- 給与明細なしの現金払い(キャッシュジョブ)で働き、指定職種を証明できなくなる
- 許可なく同じ雇用主で6か月以上働く
- 「仕事確約」とお金を要求するファームに支払う。詐欺に注意し、雇用主を事前に調べましょう
よくある質問
オーストラリア国内からワーホリビザを申請できますか?
初回のビザは国外から申請する必要があります。セカンド・サードビザはルールが異なるので内務省サイトを確認してください。
パートナーと一緒に申請できますか?
パートナーを申請に含めることはできません。パートナーも条件を満たせば、それぞれ申請します。
週に何時間働けますか?
週の労働時間の上限はありませんが、同じ雇用主のもとでは原則6か月までです。
保険は必要ですか?
日本はオーストラリアと医療の相互協定を結んでいないため、ワーホリの人は基本的にメディケアを使えません。海外旅行保険への加入を強くおすすめします。詳しくはメディケアと医療ガイドをご覧ください。
まとめ
ワーキングホリデービザは、オーストラリアを体験する最高の方法のひとつです。旅をして、世界中の人と出会い、お金を稼ぎ、最長3年間滞在することもできます。
事前に計画し、就労ルールを守り、記録をしっかり残し、大事な判断の前には必ず内務省の最新情報を確認しましょう。



